包茎の3分類とステロイド軟膏による最近の保存治療
包茎とは、大人になっても陰茎部を包む包皮が亀頭にかぶってしまっている状態を言います。包茎は、真性包茎、仮性包茎、カントン包茎の3種類に分類されます。
真性包茎は平常時でも手でめくることができない状態です。理由としては、包皮口が非常に狭い、陰茎の包皮が亀頭に常に被さっている、亀頭と包皮が癒着を起こしているといったことがあげられます。真性包茎では、亀頭の成長が阻害されて先細りのペニスになりがちです。恥垢が溜まりやすいために性器が悪臭を放ちやすくなります。また、早漏や性病になりやすいとされています。真性包茎の場合には早期の治療が望ましいとされています。
仮性包茎は包茎の中で最も多く見られるタイプです。平常は包茎が亀頭を覆っていますが、手でめくると亀頭を簡単に露出することができます。軽度のものから重度のものまでさまざまな状態のものがあります。軽度のものは、勃起すると亀頭はほとんど自然に露出します。重度のものは、勃起してもほとんど皮を被さったままです。
カントン包茎は、平常時には亀頭をどうにか露出させることができますが、包皮口が狭いため、性行為を行うと狭い包皮の部分が裂けてしまったりする状態のものです。傷口から菌が入って腫れ上がったり、締め付けられていることが原因で腫れ上がったりすることがあります。
包茎の治療は原則として真性包茎に限られるとされています。最近は、ステロイド軟膏による保存治療の有用性が分かってきたので、手術は慎重に検討されるようになりました。ただし、成人以降も真性包茎を放置すると、慢性の炎症性刺激によって陰茎癌になることもあります。思春期以降も真性包茎が治らない場合は手術が必要とされています。